終末の騎士
木曜の深夜、突如友達から連絡があった。
「土曜日暇?合コン参加しない?」
つい先月、子供が産まれた友達である。意味が分からず、「どういう状況!?」と聞き返すと、
「男のメンツが足りなくて助けてほしい、自分も独身として参加する」
との事。
よく分からないが、その友達が参加するなら「参加します!」と勢いよく返したが、金曜日の仕事中には後悔していた。
合コン・・・まともに参加した事はない。
まあ、せっかくの機会だし、数合わせで呼ばれただけなので気軽に参加しようと心を決める。
当日。参加してみれば、みんな知り合いの知り合いみたいな面識のないメンツで、8対8くらいの大規模な合コンだった。ザ・合コンである。
年齢層もバラバラで若い子は24歳の子もいた。だいたい30歳前後で、干支4周目のおじさんは場違いに感じてしまう。
さらに、男女共にみんな合コンに慣れた雰囲気を醸し出す。そもそも、これだけの人がいてメガネが1人もいないのはどういうことか。
「文化がちが〜う!」というやつである。
仕事では、女の子に話しかけるときに常に採算の注意を払う。ご時世的に〇〇ハラが怖いので。
その感覚でいくと、何も話題が思いつかない。
趣味や仕事を聞くのはセクハラにならないのか?休日の過ごし方や住んでる場所の話をするのはもってのほかである。
結局、ニコニコしながら相槌をうつだけの置物のようになって、2時間チョイをやり過ごした。
肩身は狭かったけど、でも悪くは無かった。
今更合コン盛りの女の子と同じ卓で酒を飲む機会が訪れるとは夢にも思わなかったから、相槌うつだけでもそれなりに楽しかった。(同じ卓の人はたまったもんじゃなかったと思うが。)
一次会が終わり、「あとは若い人同士で…」と颯爽と退場する。もうお腹一杯だ。
友達も職場の飲み会に参加するとのことで、駅まで一緒に帰った。
そして12時前に家に着き、落ち着いて今に至る。
性格上、おそらく来年には今日の出来事をすっかり忘れているだろう。
それも何だかもったいないなと感じて、こんな機会は人生でもう二度とないだろうし、思うまま今日の出来事を日記として綴っている。
恥ずかしくて読み返せないやつだ。(インターネットに後悔されるのも申し訳ない)
いよいよ、時代にとりのこされてしまったなぁとしみじみ感じて、でもそれも悪くはないよなと。
オッサンがガチ合コンでコミュ障を思い知る。それもまた貴重な経験だし、無事生還してアニメ観ながらのむ酒もうまい。
2022年度、仕事は大変だけど唯一人の人生を精一杯楽しもう!乾杯!