まじごみ日記

パチスロ・アニメ・特撮好きの日記です。最近の趣味は筋トレ。

俺ガイルを振り返る

作中セリフを振り返る

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の最終巻を読んでから、早一週間。素晴らしい作品だった。

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平塚先生が一番好き。最終巻の展開は、ある意味先生エンドと言える。

 

感想を書きたいと思ったものの、100%恥ずかしい感じになると分かっている。そこで、個人的に印象に残った作中のセリフやシーンを振り返ることで、物語の余韻に浸りつつ、読み返したくなる内容を目指す。

なんて素晴らしい思いつき!では、早速振り返っていこう。

 

1巻

雪ノ下

「持つ者が持たざる者に慈悲の心をもってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶの。途上国にはODAを、ホームレスには炊き出しを、モテない男子には女子との会話を。困っている人に救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動よ」

「ようこそ、奉仕部へ。歓迎するわ」

奉仕部のはじまり。言葉のリズムがとてもいい。

 

雪ノ下「由比ヶ浜さん、依頼のほうはどうするの?」

由比ヶ浜「あれはもういいや!今度は自分のやり方でやってみる。ありがとね、雪ノ下さん」

このときの依頼の内容は、比企谷は知らない。「自分のやり方でやってみる」というのは、はたして何を指していたのか。

 

雪ノ下

「この男が試合を決めるから、おとなしく敗北なさい」

「知ってる?私、暴言も失言も吐くけれど、虚言だけは吐いたことがないの」

1巻終了の時点で、既に信頼関係が芽生えている。

 

2巻

いつだって期待して、いつも勘違いして、いつからか希望を持つのはやめた。

だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。

わかる。

 

3巻

雪ノ下「ええ。……つい最近気づいたのだけれど、私はこの二か月間をそれなりに気に入っているのよ」

この前の、 平塚先生の「奉仕部は遊びではないよ。」という訓告のくだりがあってからのこのセリフ。

 

比企谷「理想は理想だ。現実じゃない。だからどこか嘘臭い。」 

 雪ノ下陽乃と初めて会ったときの言葉。

 

雪ノ下

「……馬鹿ね。終わったのなら、また始めればいいじゃない。あなたたちは悪くないのだし」

「ちゃんと始めることだってできるわ。……あなたたちは。」

 

この話は、一旦文化祭で終わったように見えて、最後のプロムの話まで関わってくる。

 

4巻

平塚先生「比企谷、違うよ。仲良くする必要はない。私はうまくやれと言っているんだ。敵対するわけでも無視するわけでもなく、さらっとビジネスライクに無難にやり過ごす術を身につけたまえ。それが社会に適応するということさ」

 

なら、結局それは虚偽と猜疑と欺瞞でしかない。

平塚先生とのやりとりは、どれも印象深い。

 

雪ノ下「あなたでは無理よ。そうだったでしょう?」

読み返すと、葉山には無理でも奉仕部なら・・・?という気持ちが含まれている気がする。

 

雪ノ下

「報われないわね」

「だから、誰からも褒められなくても、一つくらい、いいことがあっても許されると思うわ」

作戦が終わったあとのやりとり。 一つくらいのいいこと、なにを思ってこう言ったんだろうか。

 

葉山

「俺はいろんなことが違う結末になっていたと思うよ。ただ、それでも……」

「比企谷君とは仲良くできなかったろうな」

 ここで呼び方が「ヒキタニくん」から変わっている。この2人のやりとりは好き。

 

5巻

平塚先生

「君も同じだよ」

「君も優しくて正しい。雪ノ下とは相容れない優しさであり正しさだが」

ラーメン食べてるときのセリフ。

 

陽乃「……雪乃ちゃんは、また選ばれないんだね」

印象深いセリフだけど、"また"とは何のことだったのだろう。

 

由比ヶ浜

「ヒッキー。もし、ゆきのんが困ってたら、助けてあげてね」

「それでもヒッキーは助けるよ」

プロムの話を知ってから読み返すと、つらい。

 

6巻

由比ヶ浜

「効率って……そりゃそうかもしんないけど……」

「……でも、それっておかしいと思う」

 

「……わたし、思っていたよりずっとゆきのんのこと好きなのかも」

「約束」「ゆきのんが困ってたら助けること」

 この返しに比企谷が「できる範囲でな」と言っている。プロムの話で由比ヶ浜がそれを諭すことを考えると切ない。

 

比企谷「あの、……何考えてるんですか」

陽乃「わたしが何かを言って、君はそれを信じるの?」

このシーンは何故か印象深い。 

 

由比ヶ浜「あたし、ちょっと怒ってるからね」

由比ヶ浜

「あたしね、ゆきのんのことは待つことにしたの。ゆきのんは、たぶん話そう、近づこうってしようとしてるから。……だから、待つの」

「でも、待っててもどうしようもない人は待たない」

「違うよ。待たないで、……こっちから行くの」

 おそらく、この時点ではまだ比企谷は雪ノ下が好きだという気持ちにはなってなかったんじゃないかな。気付いてないとかじゃなく。だからこのあとのやり取りはかなり好意的で、あとの展開を考えるとやっぱり切ない。

 

葉山「……どうして、そんなやり方しかできないんだ」

 

雪ノ下「……本当に、誰でも救ってしまうのね」

平塚先生

「だが、素直に褒める気にはなれない」

「比企谷。誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」

雪ノ下

「……嘘ではないは、だって、あなたのことなんて知らなかったもの」

「……でも、今はあなたを知っている」

 

文化祭の話はやはり印象深いシーンが多く、「俺ガイル」の面白さが詰まっている。

またこの巻まで読むと、いままでの問題が全て丸く収まったかのように見えるけど、次巻以降を読み進めると、実は何も解決していない、という構成になっているのがすごい。

 

7巻

海老名「今までどおり、仲良くやりたいもん」

この人はどこまで見通して依頼したのか。

 

いいですか?そういう無邪気な行動がですね、多くの男子を勘違いさせ、結果、死地へと送り込むことになるんですよ?わかったら、今後、『ボディタッチをしない』『休み時間や放課後、男子の席に座らない』『忘れ物をしても男子から借りない』、以上のことに気をつけて行動してくださいね。

ほんとそれ。

 

平塚先生

「雪ノ下、叱られることは悪いことではないよ。誰かが君を見てくれている証だ」

「ちゃんと見ているから、いくらでもまちがえたまえ」

平塚先生が出てくるシーンは全部いい。こんな大人中々いない。

 

三浦「そういうの、迷惑なんだけど」

あーしさんはすごく面倒見のいいやつ。

 

葉山「君にだけは、頼りたくなかったのにな……」

この頃には、比企谷って呼んでた。

 

雪ノ下「……あなたのやり方、嫌いだわ」

由比ヶ浜

「効率とか、そういうことじゃないよ……」

「人の気持ち、もっと考えてよ……」

「……なんで、いろんなことがわかるのに、それがわかんないの?」

このシーンはアニメでも印象深かったけど、いまだにそんなに悪いやり方だったと思えない。。

 

海老名「そうやって、どうでもいいと思ってる人間には素直に

なるとこは嫌いじゃないよ」

比企谷「奇遇だな。俺も自分のそういうとこが嫌いじゃない」

 この二人のここのやり取りがすき。

 

8巻

由比ヶ浜「……何考えてるのかよくわかんなくなっちゃった」

 

雪ノ下「……変わらないと、そう言うのね」

 修学旅行の件で、みなそれぞれ思うところがある。

 

平塚先生「君のやり方では、本当に助けたい誰かに出会ったとき、助けることができないよ」

確かに、ここからが長かった。

 

雪ノ下「そんなうわべだけのものに意味なんてないと言ったのはあなただったはずよ……」

読み返すと、この発言も依存しているからと分かる。

 

陽乃

『君はまるで理性の化け物だね』

『そっか。じゃあ、自意識の化け物だ』

「比企谷くんは何でもわかっちゃうんだねぇ」

この人が出ると話が動くので面白い。

 

形にしなくても、声に出さなくても、言葉にならなくても。

俺には確かな信念があったのだ。

おそらくは、誰かとたった一つ共有していて。

今はもう失くしてしまった信念を。

雪ノ下「……すべての人があなたを気に掛けて、嫌っているなんて自意識過剰だわ」

由比ヶ浜「勝手なのは、みんなだよ」

 ここから先、ずっと由比ヶ浜が一番損をする役回りなので、切ない。

 

小町

「でもね、それを理解できるのは小町だからだよ。ずっと一緒に暮らしてきた小町だからわかるの」

「馬鹿だなぁこの人って笑って済ませられる。ほんとにしょうがないなぁって思える、それで、……ちょっと悲しくなる」 

 最強の妹、小町。

 

川崎「あと、……あんたとか」

 川崎さんはすごくいい子。比企谷に抱いている気持ちはなんなのだろうか。

 

一色「先輩に乗せられてあげます」

最強の後輩、いろは。

 

雪ノ下「わかるものだとばかり、思っていたのね……」

由比ヶ浜「……罪悪感って消えないよ」

生徒会長選挙終了。

 

9巻

葉山「……俺は君が思っているほど、いい奴じゃない」

葉山も話を動かす重要なキャラ。

 

戸塚

「八幡ってやっぱりかっこいいね」

「でも、困ったら言ってね?」

後で本当に頼ることになる。

 

雪ノ下

「私は、……違うわ」 

「いつも、できているつもりで……、わかっているつもりでいただけだもの」

最後の最後まで、ずっとこんな感じで悩み続ける。

 

比企谷「なんか、かっこいいっすね」

平塚先生「かっこつけてるからな」

 

平塚先生

「……ただ、私はそれが君だったらいいと思う。君と由比ヶ浜が雪ノ下に踏み込んでくれることを願っている」

「この時間がすべてじゃない。……でも、今しかできないこと、ここにしかないものもある。今だよ、比企谷。……今なんだ」

「考えてもがき苦しみ、あがいて悩め。――そうでなくては、本物じゃない」

ここの先生とのやり取りは、作中屈指の名シーン。

 

比企谷

「それでも、俺は……」

「俺は、本物が欲しい」

由比ヶ浜「あたし、今のままじゃやだよ……」

雪ノ下「なぜあなたが泣くの……。やっぱりあなたって、……卑怯だわ」

 アニメ初見で目頭が熱くなった。

 

雪ノ下

「ねぇ、比企谷くん」

「いつか、私を助けてね」

雪ノ下が比企谷くんと呼ぶときは、どれも重要なシーン。

 

雪ノ下

「私にできることが何もないって気づいてしまったから、あなたも姉さんも持っていないものが欲しくなった。……それがあれば、私は救えると思ったから」

「……さあ、何かしら」

 さっきの助けてと矛盾するような発言。

 

葉山

「……そうじゃない。いろはの気持ちは素直に嬉しい。でも違うんだ。それは、たぶん、俺じゃなくて……」

「……君はすごいな。そうやって周りの人間を変えていく。……いろはも、たぶんそうなんだろうな……」

「ははっ、違うよ。……言っただろ。俺は君が思っているほどいい奴じゃない」

「君を褒めるのは……、俺のためだ」

葉山は、なんかかわいそうなやつ。

 

一色

「……わたしも、本物が欲しくなったんです」

「忘れませんよ。……忘れられません」

 クリスマスイベントの話から、いろはすめっちゃ好き。

 

平塚先生「どうかな……。教師がしてやれる答え合わせは定期試験だけだ。……だから、せめて問い続けよう。そのぶん、君は考え続けたまえ」

読み返すと、ここでもいいこと言ってた。

 

雪ノ下

「まだ、依頼は終わってないでしょう」

「……あなたの依頼、受けるって言ったじゃない」

由比ヶ浜

「あたしは……、わかっちゃったかな。……ヒッキーはわかんなくてもいいかもね」

これは「本物が欲しい」という言葉を依頼として受け取ったのだろう。ここからが長かった・・・。

 

10巻

 雪ノ下「……今年も、よろしく」

年が明ける。

 

葉山「そういう煩わしいの、やめてくれないか」 

 11巻は葉山の巻。

 

三浦「知りたい。……それでも知りたい。……それしかないから」

 初めて三浦優美子を可愛い女の子だと思えた。

 

戸塚

「あと、……ぼくのこととか」

「結構ちゃんとやってるでしょ?……ちょっと頼りないかもだけど」

比企谷

「……いや、そんなことねぇよ。俺だって頼りにしてる。まだわかんねぇけど、その、だな……。でも、たぶん頼る」

戸塚はなぜ最初の頃から比企谷を気にかけていたのかは謎。

 

陽乃「自分でよく考えなさい」

陽乃

「そっか。隼人も期待してたんだね」

「見つけてくれることを、かな」

 

このひと、大人っぽい雰囲気で悟った感じで振舞うけど、読み返すとこの人もまだ未熟で悩んでいると分かる。

 

葉山

「俺は君が嫌いだ」

「だから君の言うとおりにはしない」

 

「それに、君に負けたくないんだよ」

葉山「それしか選びようがなかったものを選んでも、それを自分の選択とは言わないだろ」

比企谷「俺も一つ言い忘れてた。……俺もお前が嫌いだよ」

 このやりとりをもって、葉山と比企谷は対等な関係になった気がする。

 

陽乃

「それを本物とは呼ばない……、君の言葉だったね」

「本物なんて、あるのかな……」

 未だ本物には手が届かず。

 

11巻

平塚先生「陽乃。もし君に、……本当に積もる話があるのなら、いつでも付き合ってやる」

平塚先生

「逆だよ。感じるな、考えろ」

「その違和感についてずっと考えなさい」

「……いつまでも見ていてはやれないからな」

 先生は本当にいいこと言う。

 

陽乃

「こういう時間が君のいう、本物?」

「君はそんなつまらない子?」

陽乃「……雪乃ちゃんに自分なんてあるの?」

陽乃『……優しいね、比企谷くんは』

 いいこと言う先生だけじゃなく、この人もいないと話が進まなかったろうな。

 

由比ヶ浜

「……あたしらしいって、なんだろね?」

「……あたし、ヒッキーが思ってるほど優しくないんだけどな」

雪ノ下

「寄る辺がなければ、自分の居場所も見つけられない……。隠れて流されて、何かについて行って、……見えない壁にぶつかるの」

「……私のこと」

由比ヶ浜「……もうすぐ、終わりだね」

3人のデートが終わる。

 

由比ヶ浜

「もし。お互い思ってることがわかっちゃったら、このままでっていうのもできないと思う……。だから、たぶんこれが最後の相談。あたしたちの最後の依頼はあたしたちのことだよ」

比企谷「曖昧な答えとか、なれ合いの関係とか……そういうのはいらない」

雪ノ下「それに、最後じゃないわ。比企谷くん、あなたの依頼が残ってる」

11巻のラスト。どのセリフ切り取るか悩んだ。これアニメ見たとき驚いたな~。これで終わりなの!?

 

12巻

比企谷「……雪ノ下。聞いていいか。お前の話」 

話を切り出すまでひたすら思い出を振り返っていたのがもう切ない。

 

陽乃

「君とは違うの。君は、いつも『お兄ちゃん』してるけど」

「けど、たぶん君もそうだよ。……予言してあげる。君は酔えない」

 このとき陽乃が飲んでいた相手は、おそらく平塚先生だと思う。

 

小町「お兄ちゃん、ありがとう。お世話になりました」

ここで比企谷がめっちゃ泣くところがすき。

 

雪ノ下「……それは、何のために、誰のためにやるの?」

一色「もちろん、あたしのためです!」

 こうしてプロムが始まる。

 

一色

「妹扱いされて喜ぶ女の子なんていないですから」

「わたし、先輩の妹じゃないですからね」

 世界の後輩・一色いろは。後半は、いろはすも重要な役回りだったな~。

 

陽乃

「雪乃ちゃんは普通の女の子よ。……まあ、ガハマちゃんもそうだけど」

「……なのに、三人が揃っちゃうと、それぞれの役割を演じちゃうのよね」

共依存っていうのよ」

この共依存という言葉をずっと引きずる。 

 

平塚先生『……比企谷、ごめんね。それでも私はずっと待つよ。……だから、言葉にしてくれ』

比企谷「……いつか、助けるって約束したから」

先生の離任について、何も言うまいと決めたのに結局言葉にしてしまう比企谷に対する、やさしい問いかけ。

 

涙が止まってくれてよかった。

 

涙が止まらなければよかった。

この巻以降、比企谷以外のモノローグがちょいちょい入るけど、由比ヶ浜のはどれもめちゃくちゃ切なくて、つらすぎる。 

 

13巻

平塚先生「意見がぶつかるなんて何回もあっただろう。けど、それを君たちはちゃんと乗り越えてきた。今まで自分たちが積み上げてきたものをもうちょっと信じてあげてもいいと私は思うよ」

すっとそうやってきたから。

 

一色

「ちゃんと答えてください」

 

あんなのほとんど告白だ。

 

「だったら……」

「もっとちゃんとしてください」

 この子もすごい考えてる。

 

戸塚

「八幡はどうしたいの?」

「ごめんね、みんながいると言いづらいかもしれない。けど、ぼくたちも、ちゃんと八幡のこと理解したいから」

比企谷

「ただ、それでも、俺はあっちのプロムを、実現させてやりたい、……と思ってる」

いつもみたいによくわからないまま終わっちゃうのは、戸塚も嫌だった。

 

由比ヶ浜

「いいの。ていうか、あの海だからいいの。うちの学校から見えるでしょ?」

「それでさ、いつも夕方になると、海に太陽が沈んでって……。それを見て、綺麗だなーって。今日も楽しかったなーって思うの。」

「それで……」

「こんな日がずっと続けばいいのに……って、思うの」

 

けど、もう少しだけ、この時間を続けさせてください。

 

「……わかってないよ」

「わたし、ちゃんとしようと思ってる。これが終わったら……、ちゃんとするの。……だから、ゆきのんのお願いは叶わないから」

 ちゃんとするって、なんだろう。

 

葉山

「比企谷、君のやり方はまちがっている。君がすべきなのはそんなことじゃないはずだ。」

「比企谷……。その感情をなんていうか、知ってるか」

比企谷

「知ってるよ。男の意地っていうんだ」

 モノローグでいつも嫌い合っている二人の関係が好き。

 

海老名「なんでこうなってるか知らないし、私がいうことでもないんだけどさ、もっと簡単な方法あったんじゃない?」

比企谷「簡単なものが一番難しい。俺にはこれが一番簡単だっただけだ」

海老名「ふーん、気持ち悪い」

 周りはほぼみんな、もっと簡単なことだと言う。平塚先生を除いて。

 

陽乃

「嘘ばっかり吐いて……、ほんとのことは言わないんだね」

比企谷

「ほんともなにも、特に言うことないですから。仮にあったとしても……」

「それを言う相手はあなたじゃない」

陽乃

「……。……そりゃそうだ」

 

けれど、まちがいをまちがいのままにしておくのはもっと気分が悪いから。

「ねえ……。それは、本物って呼べるの?」

それを正しいことと信じながら、皆どこかまちがっている。

 

由比ヶ浜

「そんなの、わかんない」

「……でも、共依存なんかじゃないです」

「だって、こんなに痛いから……」

胸だけじゃない。心だけじゃない。全部、全部痛い。

――あたしの全部が、痛いくらい、好きだって悲鳴を上げてる。

 ここが一番切ない。

 

雪ノ下

「楽しかった。初めてだった。一緒に過ごす時間が居心地いいって思えて、嬉しかった……」

「私は大丈夫。もう、……大丈夫。あなたに助けてもらえた」

由比ヶ浜さんのお願いを叶えてあげて」

――どうかこれが正しい終わりでありますように。

話の流れ的に、きっとこの子は救われると分かっているから、早く救ってあげて!って思った。こじれてる期間が長すぎて、由比ヶ浜さんがただただかわいそう。。

 

14巻

由比ヶ浜「それ、やめたほうがいいと思う」

 散々やってきた、「できる範囲でなんとかする」といって無理する比企谷のやり方を、ここで諭す。

 

三浦「だから、半端なことしないでくんない?そういうのムカつくから」

いい人だなぁ……

 

由比ヶ浜ママ「何年か経って、大人になった時に桃を食べたら、こういうことあったなーって思い出すでしょ?手作りお菓子ってそういうのが素敵なの」

確かに素敵。

 

めぐり先輩「卒業するなんて思わなかったなぁ……」

学生のときって、卒業するのがどこか現実的じゃないんだよね。

 

一色

「……言い訳、わたしがあげてもいいですよ?」

「でしょ?こう見えて結構都合のいい女なんです」

都合がどうかは知らんが、少なくとも、いい女であることは間違いない。

ほんと、いい女だと思う。

 

由比ヶ浜「……次で、最後のお願いにするね」

雪ノ下『……お願い、絶対叶えてね』 

みんなお願い叶えさせたすぎ。

 

陽乃「ちゃんと決着つけないと、ずっと燻るよ。いつまでたっても終わらない。わたしが二十年そうやって騙し騙しやってきたからよくわかる……。そんな偽物みたいな人生を生きてきたの」

「ねえ、比企谷くん。本物なんて、あるのかな……」

 この人が一番本物を知りたがっているから、悲しい。

 

平塚先生

「だが、私はそうは思わない。君も雪ノ下も、由比ヶ浜もそんな関係性ではないよ」

共依存なんて、簡単な言葉で括るなよ」

「君はその理屈で納得するかもしれない。けど、そんな借りてきた言葉で誰かの気持ちを歪めるな。……その気持ちを、わかりやすい記号で済ませるなよ」

「君の気持ちは、言葉一つで済むようなものか?」

 

「けど、そういうのを全部ひっくるめて……」

「君が好きだよ」

ここが、個人的に本作一番の名シーン。先生との関係性がすばらしい。

 

由比ヶ浜

「これで、ほんとうにいいと思う?」

「ちゃんと考えて答えて。もし、本当にいいなら、本当に終わりなら。あたしのお願いちゃんと言うから。……本当に、大事なお願い。」

 

そんな裏切りをしてはいけないのだ。

俺は世界でただ一人、この子にだけは嫌われたくないから。

比企谷

「……いいとは思ってない」

 

「めっちゃ気持ち悪いこと言うけど、単純にあれだ。俺はあいつと関わりがなくなるのが嫌で、それが納得いってねぇんだ」

 

由比ヶ浜「一言言えばいいだけなのに」

比企谷「一言程度で伝わるかよ」

 

でも、やっぱり言葉は出ない。

言葉なんて、出ない。

好きだなんて、たった一言じゃ言えない。

それ以前の話で、それ以上の問題で、それどころじゃない感情だ。

あたしは、あたしたちは、初めて本当に恋をした。

ようやく、由比ヶ浜との関係は一区切り。とっくにライフゼロの状態が続いたのでつらかったよ。。

 

一色「……ほんと意味わかんない」

一色いろはの役目もこれで一段落。

 

比企谷

「俺も納得はしてないんです」

「……うまくいかなかったとしても、きっちり答えを出すべきなんです。ちゃんと決着つけないと、ずっと燻るから」

「わかってますよ」

「……そのへんの責任も、まぁ、取れるなら取るつもりです」

 

雪ノ下

「……安い挑発ね」

「そうね、乗ってあげるわ。私、負けず嫌いだから」

 

比企谷

「……手放したら二度と掴めねぇんだよ」

「お前は望んでないかもしれないけど……、俺は関わり続けたいと、思ってる。義務じゃなくて、意思の問題だ。……だから、お前の人生歪める権利を俺にくれ」

 

「人生変えたりするほどの影響力は俺にはないからな。たぶん、俺もお前も普通に進学して、嫌々でも就職して、それなりに真っ当に生きると思う。けど、関わり合うと、なんか遠回りしたり足踏みしたり、いろいろするだろ。……だから、人生がちょっと歪む」

 

「諸々全部やるから、お前の人生に関わらせてくれ」

 

「言えねぇだろ。……こんなの、言葉になってたまるかよ」

 

雪ノ下

「私はちゃんと言うわ」

「あなたの人生を、私にください」

 なんて恥ずかしい告白!

 

一色

「結衣先輩は?どうします?」

「彼女がいる人好きになっちゃいけないなんて法律ありましたっけ?」

 

「そんなの、決まってるじゃないですか」

「諦めないでいいのは女の子の特権です!」

由比ヶ浜

「そっか……」

そして、あたしは。

あたしが居たいと思う場所へ、駆け出した。

救いがあって、よかった!

 

陽乃

「雪乃ちゃん、頑張ってね。比企谷くんも頑張って……」

「……覚悟決めてね?」

この人も、ようやく毒が少し抜けた。 長かった。

 

 由比ヶ浜「これがあたしの見たかった景色だと思うから」

気持ちに一区切りがついた。

 

平塚先生

「……まぁ、君なりの青春の過ごし方とはいえるのかな」

「聞いたことないのか? 青春とは嘘であり悪である……」

 

「この一年、どうだった? 何か、変わったかい?」

 

「共感と馴れ合いと好奇心と哀れみと尊敬と嫉妬と、それ以上の感情を一人の女の子に抱けたなら、それはきっと、好きってだけじゃ足りない」

「だから、別れたり、離れたりできなくて、距離が開いても時間が経っても惹かれう……。それは、本物と呼べるかもしれない」

 

「……さよならだな」

いいこと言うだけじゃなく、一巻の作文も回収するあたり、先生は本当に最高。 

 

雪ノ下

「それと……」

「いえ、最後にひとつだけ言っておかないと」

 

「あなたが好きよ。比企谷くん」

 

――けど、死ぬほどめんどくさいところが、死ぬほど可愛い。

リア充爆発しろー!

 

由比ヶ浜

「えっと……依頼っていうか、相談なんだけどね?」

「あたしの好きな人にね、彼女みたいな感じの人がいるんだけど、それがあたしの一番大事な友達で……。……でも、これからもずっと仲良くしたいの。どうしたらいいかな?」

 

「……うん、長くなるかも。今日だけじゃ終わんなくて、明日も明後日も……ずっと続くと思うから」

 

雪ノ下

「そうね。……きっと、ずっと続くわ」

 

個人的には、とてもよい終わり方だったと思う。

やはりこの青春ラブコメは最高だった!素敵な物語をありがとう!

 

 

おわりに

めっっっちゃ時間掛かった。

文庫本片手にセリフ打つのも大変だった。。もはや読み返す気力もない。

その割には、巻ごとに濃度が全然ちがうし、他の名シーンを色々見逃している気がする。序盤明らかにてきとうだし。。

「6.5」「7.5」「10.5」巻は今回飛ばしたけど、全巻通して6.5巻の体育祭の話が一番面白かったかも。10.5巻読んだら絶対いろはす好きになるし。

 

【引用】

小学館 ガガガ文庫

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。1~14 渡航